リングフラッシュMF18で撮る口腔内規格写真(5枚法)撮影術〈後編〉
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<後編>目次
- 5枚法 - 正面観( 前顎 )の撮影方法
- 5枚法 - 咬合面観( 下顎 )の撮影方法
- 5枚法 - 咬合面観( 上顎 )の撮影方法
- 5枚法 - 左側側方面観の撮影方法
- 5枚法 - 右側側方面観の撮影方法
5枚法 - 正面観( 前顎 )の撮影方法
● 正面観・撮影時の立ち位置

5枚法のうちの「 正面観( 前顎 )」を撮影するときは、患者さんの頭の位置を 12 時としたときの「 7時 」の位置に立ちます。(写真1)
● 口角鈎の内側を湿らす
実際の撮影に入る前に、患者の唇で口角鈎を滑りやすくするために、口角鈎の内面を少し湿らせておきます。
● 口角鈎の使い方

口角鈎を患者さんの口にあてがうときは、写真2の手順で進めます。まず、下唇を片側ずつ引っかけていき、スライドさせて口角の位置まで上げてから、患者さんに口角鈎を持ってもらいます。口角鈎を左右に強く引いてもらい、咬合してもらってから、上唇と下唇を歯肉から離して歯肉頬移行部を広げてもらいます。
(写真2)患者さんに口角鈎を持ってもらい、横に強く引きながら上唇と下唇を歯肉から離して歯肉頬移行部を広げてもらいます。
● 撮影倍率の準備
実際の撮影に入る前に、レンズのフォーカスモードの設定と撮影倍率の準備をしておきましょう。これらの設定は、前編の「 カメラとフラッシュの設定 」および「 撮影倍率を固定した撮影方法 」を参照します。

ピント合わせはマニュアルでできるという方は、この先のピント合わせの実際は飛ばして読んでいただき、マニュアルは難しいのでオートフォーカスを使うという方向けに解説していきます。
5枚法では 1/3 倍率を使うので、フォーカスリングのメモリの数値は「 3 」を選んでおきます。ただし、オートフォーカスを使う場合は、カメラがフォーカスリングを動かしてしまうので、倍率の設定は多少誤差が出てしまいます。それでも口腔内写真で大切なのはピントです。多少の倍率の誤差は目を瞑る必要があります。
(写真3)5枚法撮影のときの撮影倍率は、1:3 を使う。レンズの数字を「 3 」に合わせます。
● 患者さんとの協力

正面観・前顎での撮影では、7時の位置に立って撮影します。この位置だと、患者さんが真上を向いている状態では、患者さんに覆い被さるような姿勢になってしまいがちです。これでは撮影者の体も不安定なるほか、患者さんにとっても圧迫感があります。そこで、患者さんに協力してもらい、写真4のように顔をカメラに対して真正面になるように向けてもらいます。
(写真4)正しい口腔内撮影では、患者さんに口角鈎を持ってもらったり、顔をカメラに向けてもううなどの協力が必要となります。
● まずは体を前後させてピント合わせ
ここではオートフォーカスを使ったピントを合わせを紹介していますが、先に述べた撮影倍率の誤差を最小にするためにも、ピント合わせの初動は体を使って合焦させます。写真4の姿勢をとったら、上半身をカメラの光軸に沿って前後させ、ピントが合う位置を探します。
● ピントを合わせる位置

体を前後させることでおおよそのピントを合わせたら、いよいよオートフォーカスを使っての撮影です。オートフォーカスは、ファインダー内に表示されているセンターのフォーカスポイントを使います。( 前編の撮影倍率を固定した撮影方法を参照 ) 写真5のように、センターのフォーカスポイントを上顎前歯の1番と2番の間に合わせたら、シャッターボタンを半押しにしたままでフォーカスロックをかけます。(写真5)
● 正しい構図にする

フォーカスロックをかけたまま、センターのフォーカスポイントが上顎前歯と下顎前歯の咬合面にくるように、カメラを動かして構図をとりなおします。( 写真6 )正しい構図がとれたら、ここでシャッターボタンを押しきって撮影します。
※ 構図作りのポイント
フォーカスロックをかけたまま、センターのフォーカスポイントが上顎前歯と下顎前歯の咬合面にくるように、カメラを動かして構図をとりなおします。( 写真6 )正しい構図がとれたら、ここでシャッターボタンを押しきって撮影します。
5枚法 - 咬合面観( 下顎 )の撮影方法
● 正面観・撮影時の立ち位置

5枚法のうちの「 咬合面観( 下顎 )」を撮影するときは、患者さんの頭の位置を 12 時としたときの「 7時 」の位置に立ちます( 写真7 )
● 使うミラー

咬合面観( 下顎 )の撮影では、咬合面観用のミラーを使います。口腔内挿入時にミラーが曇らないように、あらかじめミラーを暖めておきましょう。(写真8)
● 口角鈎の位置とミラーの挿入

患者さんに咬合面観の撮影がしやすいように、口角鈎の位置を下唇方向にずらしてもらいます。(写真9)

ミラー挿入時は、撮影しやすくするために患者さんに術者側に少しだけ首を曲げてもらいます。(写真10)

大開口の状態では咬合面観用のミラーは入りにくいので、一横指程度の開口にしてもらい、ミラーを左右片側ずつ交互に挿入します。このとき、患者さんに舌を口蓋に接触させてもらい、ミラーを挿入してから舌を押えると、下顎歯列の舌側面が観察しやすくなります。この状態で撮影に入ると、撮影者は腰をかがめることになるので、患者さんに頭を後屈(のけぞらせる)してもらいましょう。きちんと撮影するためには、撮影者はなるべく普通に立ったままで撮影できるようにします。(写真11)
● 咬合面観( 下顎 )の撮影

咬合面観( 下顎 )の撮影では、患者さんに首を少しだけ撮影者方向に傾けてもらうので、撮影者もミラーとカメラが平行になるように傾けて撮影する必要があります。
実際の撮影では、ファインダー内のセンターのフォーカスポイントを下顎の6番に合せ、ここで体を前後させておおよそピントの合う位置を探します。そしてシャッターボタンを半押しにして下顎の6番にピントを合わせたら、フレーミングしなおして下顎全体が構図に収まる位置でシャッターボタンを押しきって撮影します。( 前編の撮影倍率を固定した撮影方法を参照 )
ミラーを外すときは、口を少し閉じてもらうと口角のテンションが緩み、ミラーが抜けやすくなります。大開口状態でミラーを抜いて、患者さんの口角を傷つけないように注意します。
5枚法 - 咬合面観( 上顎 )の撮影方法
● 正面観・撮影時の立ち位置

5枚法のうちの「 咬合面観( 上顎 )」を撮影するときは、患者さんの頭の位置を12時としたときの「 12 時 」の位置に立ちます。(写真12)
● 口角鈎の位置

患者さんに咬合面観の撮影がしやすいように、口角鈎の位置を変更してもらいます。(写真13)まずは口角鈎の左右を反対に持ち替えてもらいます。口に装着するときは、写真2のと同じ手順で下唇の片側から順に引っかけてもらい、一気に上唇まで滑らせ、頬骨弓方向に口角鈎を引っ張ってもらいます。そのときの開口量は一横指ほどに開いてもらうとよいでしょう。
● ミラーの挿入

咬合面観の上顎を撮影するために、ミラーを口腔内へ挿入します。このミラーに映った上顎を撮影することになります。
ミラーを患者さんの口腔内に挿入するときは、患者さんの顔へのミラーの落下を防止するために、顔の脇を通すようにしましょう。また、上顎を撮影するミラーは比較的大きいため、ミラー挿入時は口腔内へ真っ直ぐ入れずに、片側ずつ挿入していくようにします。
口腔内へミラー挿入したら、写真14の要領でミラーを持っている手の薬指を使い、患者さんの下唇を排除して、ミラーを下顎前歯切端に接触させて安定させます。そして、このまま患者さんに大開口してもらいましょう。
● 咬合面観( 上顎 )の撮影

挿入したミラーに、上顎の咬合面がすべて映っていることを確認してから撮影に入ります。このとき、センターのフォーカスポイントを上顎の6番に合わせ、体を前後させてピントを合わせます。おおよそピントが合ったら、シャッターボタンを半押しにしてフォーカスロックし、フレーミングしなおして撮影します。( 前編の撮影倍率を固定した撮影方法を参照 )
5枚法 - 左側側方面観の撮影方法
● 左側側方面観・撮影時の立ち位置

5枚法のうちの「左側側方面観」を撮影するときは、患者さんの頭の位置を12時としたときの「9時」の位置に立ちます。(写真16)
● 口角鈎とミラーの準備

患者さんには右側だけ口角鈎を使ってもらい咬合してもらいます。側方面観撮影用のミラーを用意したら、ヘッドレストを下に倒して、咬合平面が地面と垂直になるように調節します。こうすることで、ミラーも地面と垂直に挿入できるようになり、構図が作りやすくなります。(写真17)
● ミラーの挿入

患者さんの口腔内にミラーを挿入するときは、以下のことに気をつけながら進めていきます。
まず、写真18の要領で、ミラーの反射面を口蓋に向けて挿入します。舌の方にに向けると、作業の途中でミラーが舌に触れることがあるからで、ミラーが汚れてしまうと撮影ができません。
次にミラーの側面で頬粘膜を押しながら、ミラーの反射面が歯列に向くように中で 90°回転させます。
ミラーの非反射面が頬粘膜に軽く触れた状態で、歯列に当たらない程度に近づけてから咬合してもらいます。
最後に、上唇と下唇のそれぞれをミラーに被せ、歯列から平行に離します。この辺で患者さんに口角鈎を緩めてもらい、ミラーを頬側に倒します。
● 左側側方面観の撮影

いざ撮影ですが、ここで患者さんに少しだけ右を向いてもらいましょう。こうすることで、口腔内に貯まった唾液を右に流せ、唾液が撮影の邪魔にならないようにします。

ミラーに前歯から最後臼歯まで映っていることを確認したら、カメラを縦に構えてファインダーを覗きます。ここでもピントを合わせる場所は6番です。ピントを合わせフォーカスロックしたら、前歯から最後臼歯まで映るようにフレーミングしなおして、シャッターボタンを押しきって撮影します。
5枚法 - 右側側方面観の撮影方法
● 右側側方面観・撮影時の立ち位置

5枚法のうちの「 右側側方面観 」を撮影するときは、患者さんの頭の位置を12時としたときの「3時」の位置に立ちます。(写真21)

この後の準備や撮影方法は、「 左側側方面観 」と同じです。左右を読み替えて進めてください。
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■ 制作・著作 ■
ニッシンジャパン
高田歯科
スタジオグラフィックス
薮田織也 事務所
【 高田 光彦 - Mitsuhiko Takata 】

岡山大学歯学部卒業
日本顕微鏡歯科認定医、歯科臨床研鑽会主宰 日本口腔インプラント学会、日本臨床歯周病学会、日本歯内療法学会、日本歯科保存学会、日本補綴歯科学会、日本接着歯学会、日本歯科審美学会、日本顕微鏡歯科学会、大阪口腔インプラント研究会、DSSEスタディクラブ 会員
■ 確かな口腔内撮影をとお考えの方に…
本ページを監修された高田先生による Facebook ページでは、口腔内撮影の最新情報や、高田先生によるハンズオンセミナー開催の情報が紹介されています。また、口腔内撮影機材のセットアップ代行ページもあるので、ご興味のある方はそちらもぜひご覧ください。
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