ニッシンデジタル - ストロボ・フラッシュ

コラム

待望のクリップオン型マシンガンストロボ「MG80 Pro」のご紹介

2012年発売のMG8000から始まった、超高耐熱仕様の「マシンガンストロボ」シリーズ。
オフカメラライティングにも最適な大光量のグリップ型「MG10」と、MG10ジュニアとも呼べる「MG8」に引き続き、いよいよ待望のクリップオン型マシンガンストロボ「MG80 Pro」がまもなく登場いたします。

すでに展示会等で何度か参考出品はしておりますが、今回はWeb記事としては初めて、実機の写真や機能説明を含めご紹介したいと思います。

※写真のMG80 Proは試作機のため、細部の仕様が製品版と異なる場合がございます。予めご了承ください。

クリップオン型でNASワイヤレス対応の既存モデル「i60A」と、初代マシンガンストロボ「MG8000」と並べてみました。(左がi60A・中央がMG80 Pro・右がMG8000)

さすがに超小型設計のi60Aよりは大きいですが、先代のMG8000とはサイズも大差がなく、一般的なサイズのクリップオンストロボに仕上がっています。
MG80 Proの発光部は外部ズーム方式を採用しているため、内部で機構がズームするMG8000よりも発光部のヘッドを含め、全体的にスリムになっているのがわかりますでしょうか。
重量は、i60Aが300g・MG8000が416gに対して、MG80 Proはチャージ回路の強化などから520gとやや重くなっていますが、その差は撮影中にはほとんど気にならないでしょう。

カメラへのロック機構は、確実なロックが可能なねじ式を採用しました。(写真はキヤノン用)
シュープレートだけでなく固定ねじのリングも金属製とし耐久性を高め、また青色のカラーがワンポイントのアクセントにもなっています。

 

発光部は1本の高耐熱発光管で構成されており、取り外し可能なスライド式外部ズーム機構により照射角を24-200mmの範囲で設定が可能です。
MG80 Proの最大ガイドナンバーは60(照射角200mm時)・発光管の最大出力は83Wsです。(照射角35mm時のガイドナンバーは32)
ソフトボックス等のライティングアクセサリーと併用する場合は、ズームフードを外せば光に指向性がなくなり、よく光がまわるようになります。

ヘッドは左右180度・上90度・下7度まで動きますので、目的に応じて自由にセッティングが可能です。
上下方向のみ、正面位置と上90度位置でロックされる機構がついており、重量のあるアクセサリーを装着した場合にヘッドが重さで動いてしまうトラブルを防ぐことができます。

もちろん、スタジオライティングで便利なモデリングライトも、新MGシリーズ共通の機能として引き続き搭載しています。

 

バッテリーは、単3形ニッケル水素充電池の他に、14500タイプのリチウムイオン充電池(保護回路付き)も使用可能になっています。
MG80 Proには外部電源端子がありませんが、リチウムイオン充電池を使用することで、最速1.2秒という驚異的な速さのチャージタイムを実現しているため、重く・取り回しの面倒な外部電源を不要としています。

なお単3形ニッケル水素充電池をご使用の場合、チャージタイムは最速で3秒となります。一般的なストロボと同じですね。
また、単3形電池の中でも「ニッケル水素充電池」のご利用を推奨しております。アルカリ乾電池でも動作は可能ですが、電池の持ちが良くないため本製品では推奨しておりません。

14500タイプのリチウムイオン充電池(1000mAh)を使用した場合はフル発光で360回、単3形ニッケル水素充電池を使用した場合はフル発光で250回の発光が可能です。

MG80 Proには、NASワイヤレス機能搭載のニッシンストロボ製品として初の「コマンダー」機能を搭載しています。
Air10sと全く同じ、合計8グループの発光制御・モデリングライト・HSS設定・ズーム設定・TTLメモリー機能・ワイヤレスシャッター機能なども搭載しており、「カメラの上に1灯+スタンドに1灯」といった様々な組み合わせにも柔軟に対応することが可能になります。

動作モードの切り替えは電源ボタンを長押しし、ダイヤルで選択して決定するだけの簡単操作です。

On:オンカメラ専用ストロボとして使用するモード。モデリングライトの発光は可能です。
CO:コマンダー(NASシステムの親機として動作する)モード。本機自身も発光させることが可能です。
SL:スレーブ(NASシステムの子機ストロボとして動作する)モード。Air10sやコマンダーモードに設定した他のMG80 Proと組み合わせ、NASワイヤレスストロボとして使用する際に設定します。

コマンダーモードでは、Air10s同様、ワイヤレスシャッターケーブルをカメラと接続すれば、MG10やMG8のシャッターボタンによるリモートシャッター機能にも対応します。

オンカメラモードの時の背面液晶表示です。
TTLの場合は±2EVまで1/3EVステップ刻みでの調光補正が可能です。マニュアル発光の場合は1/256から1/1まで25ステップの光量調整ができます。(i60Aと同様)
発光モードの切り替えは、左下の「M/TTL」ボタンを押すだけでできます。また一時的に発光させたくない場合、発光を止めることも可能です。
オンカメラモードでもモデリングライトを点灯させることができますので、暗い中での簡易照明として使うこともできるかもしれませんね。

コマンダーモード時の背面液晶表示です。
Air10sと全く同様に、基本グループで4グループ(A/B/C/D)・アドバンスグループで4グループ(A/B/C/D)の、合計8グループの制御が可能です。
モデリングライトのオンオフ、オープンモード、発光禁止モードなども搭載しています。

本機をコマンダーモードで使用する際は、本機自体も発光させることができます。光量の設定は「基本グループのAグループ」で設定します。基本グループのAグループを発光禁止に設定すれば本機の発光を止めることもできます。

スレーブモード時の背面液晶表示です。
グループ選択は、左側のA~Dのボタンを押すことで設定をすることができます。アドバンスモードはモデリングライトボタン長押しで、オープンモードはM/TTLボタン長押しで設定が可能です。
その他、光量・発光モード・照射角度などの操作はコマンダー側から行います。

 

ファームウェアアップデートのためのmicroSDカードスロットは、本体側面に搭載しています。露出する部分ですので本機にはラバー製の蓋がついています。
ファームウェアをニッシンジャパンホームページからダウンロードし、microSDカードを使ってユーザー自身で更新が可能ですので、常に最新の状態でお使いいただけます。

 

MG80 Proはニッシンのクリップオン型ストロボの最上位モデルとして、旧来のMG8000をより現代の要求に合わせ進化させたモデルです。
クリップオンストロボに求められる、操作性・TTL調光精度・金属シュー採用の耐久性など基本的な性能も高めながら、さらに超高耐熱発光部とリチウムイオン充電池による高速チャージ性能を持った本機は、オンカメラ撮影が主体となるスナップ撮影、ワイヤレスでのオフカメラ撮影が基本となるスタジオや屋外での撮影や作品撮りなど、様々なシーンで活躍してくれることでしょう。