- NAS
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「NAS」とは?NASはNissin Air Systemの略で、ニッシン独自の電波式ワイヤレスTTLシステムの名称です。コマンダーにより、レシーバー内蔵ストロボやレシーバーを取り付けたストロボを遠隔操作できます。
NASは、従来の光学式ワイヤレスTTLでは難しかった、明るい屋外や障害物の多い環境でも、電波式ならではの安定した通信で、ストロボ遠隔操作による撮影を可能にします。
NASはペアリング方式で、コマンダーはペアリングしたストロボのみ発光させます。チャンネル方式のようにチャンネルが被って不用意に他の人のストロボを光らせてしまうことがないので安心です。
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他社との互換性についてNASはニッシン独自の電波式ワイヤレスTTLシステムですので他社の電波式ワイヤレス製品との互換性がございませんが、NAS対応と謳われている他社製品であれば使用可能です。
- ペアリング
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ペアリングとは?NAS製品をお使いになる前に、最初に一度だけコマンダーとストロボのペアリングを行ってください。ペアリングが完了すると、コマンダーによるストロボの遠隔操作が可能になります。ペアリングは電源を切っても記憶されますので、最初に一回行うだけで構いません。
NAS対応ストロボを追加するときは、そのストロボとコマンダーのペアリングを行ってください。
ペアリングしたコマンダーとストロボはIDを使って通信します。すべてのコマンダーには異なるIDが登録されているため、お互いに混信することがありません。
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ペアリングの基本操作について【ペアリングの仕方】
ストロボまたはレシーバーを先に操作して、ビープ音が鳴り始めてから、コマンダーの操作を行ってください。
ストロボ複数台を一遍にペアリングすることも出来ます。【各機種ごとのペアリング操作】(ストロボ、レシーバーが先)
i60A 電源をオフにし、「電源ボタン」と「操作ロックボタン」(右側のパワー調整ダイヤルの真ん中)を長押し。
Di700A 電源をオフにし、「電源ボタン」と「Set」を長押し。
MG10/MG8 電源をオフにし、「電源ボタン」と「OPEN」を長押し。
MG80 Pro(スレーブモード) スレーブモードに切り替え後に電源をオフにし、「電源ボタン」と「操作ロックボタン」(中央のダイヤルの真ん中)を長押し。
レシーバーAirR 電源をオフにし、「電源ボタン」を長押し。↓順番
コマンダーAir1 電源をオフにし、「電源ボタン」と「S」を長押し。
MG80 Pro(コマンダーモード) コマンダーモードに切り替え後に電源をオフにし、「電源ボタン」と「操作ロックボタン」を長押し。
コマンダーAir10s 電源をオフにし、「電源ボタン」と「操作ロックボタン」を長押し。
- ハイスピードシンクロ(FP発光)
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ハイスピードシンクロとは?ハイスピードシンクロ(HSS)またはFP発光は、ストロボ同調速度よりも高速のシャッタースピードで、ストロボを使用できる機能です。通常、ストロボ同調速度は1/160から高速でも1/320までで、それを超えると幕切れという現象が起こり、シャッター幕の原理によりストロボ撮影ができませんが、ハイスピードシンクロ機能を使うと高速連続発光により1/8000まで同調することができます。※ストロボ同調速度やハイスピードシンクロで同調できる速度はカメラによって異なります。
ハイスピードシンクロ機能を備えていないカメラ(エントリーモデルなど)の場合は、ストロボにハイスピードシンクロ機能があっても、機能を利用できません。
なお、ハイスピードシンクロを使用するとストロボに負荷がかかり、フレネルレンズが変形したり、放電管が破損することがありますので、短時間で多用し過ぎないようご注意ください。
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ハイスピードシンクロが必要なときは屋外で太陽の直射光が被写体に降り注ぐような状況で絞りを開けたいときは、シャッタースピードをストロボ同調速度より高速にセットする必要があります。このような条件で撮影するには、ハイスピードシンクロ機能が有効です。
また、他にNDフィルターをレンズに装着して、シャッタースピードをストロボ同調速度以下の低速に下げる方法もあります。
なお、屋内や屋外夜間など定常光(外光)の景況が少ない環境において被写体の動きを止める写真を撮る時は、シャッタースピードを速く(1/8,000秒など)して止めるよりも、シャッタースピードを同調速度以下にして、ストロボの閃光時間(最小光量時で1/20,000秒程度)を利用したほうが効果がある場合があります。
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ハイスピードシンクロの設定方法ハイスピードシンクロの設定方法一覧です。カメラにハイスピードシンクロ機能が搭載されていない場合は設定できませんので、ご注意ください。
【Air10s】
設定方法は基本的に各マウントとも同一で、背面ダイヤルの左側「H」マーク側を約1秒長押しすれば完了です。
キヤノン用 カメラメニュー内の「ストロボ機能設定」から、ストロボの発光モードの欄から「ハイスピード」を選択することでも切替が可能です。
ニコン用 カメラ内のストロボ同調速度を「オートFP」と表記されているものを選択していれば、本機側では操作不要です。(本機のHボタンを押しても動作しません)
ソニー用・フォーサーズ用 上記設定をするとHSS(FP発光)モードでの撮影が可能となります。再度同じ操作を行うまで解除されませんが、使用しない時は通常発光モードへ戻しておくことをお勧め致します。
富士フイルム用 カメラ内のストロボ同調設定を「AUTO FP(HSS)」に設定されていれば、本機側では操作不要です。(本機のHボタンを押しても動作しません)【i60A】
設定方法は基本的に各マウントとも同一で、ストロボ背面の右ダイヤルの左側「H」マーク側を約1秒長押しすれば完了です。
キヤノン用 カメラメニュー内の「ストロボ機能設定」から、ストロボの発光モードの欄から「ハイスピード」を選択することでも切替が可能です。
ニコン用 カメラ内のストロボ同調速度を「オートFP」と表記されているものを選択していれば、本機側では操作不要です。(本機のHボタンを押しても動作しません)
ソニー用・フォーサーズ用 上記設定をするとHSS(FP発光)モードでの撮影が可能となります。再度同じ操作を行うまで解除されませんが、使用しない時は通常発光モードへ戻しておくことをお勧め致します。
富士フイルム用 カメラ内のストロボ同調設定を「AUTO FP(HSS)」に設定されていれば、本機側では操作不要です。(本機のHボタンを押しても動作しません)【Air1】
キヤノン用 カメラメニュー内の「ストロボ機能設定」のストロボの発光モードの欄から「ハイスピード」を選択します。なおカメラ上部に装着したAir1の電源を切ると設定はリセットされ、先幕シンクロの設定へ戻ります。
ニコン用 カメラのカスタムメニュー内のフラッシュ撮影同調速度で「1/◯◯◯ 秒(オートFP)」を選択します。(◯◯◯の数値は機種により異なります)
ソニー用・フォーサーズ用 本体のパイロットランプを長押しし、ランプが点滅の状態になるとHSS(FP発光)モードとなります。再度同じ操作を行うまで解除されませんが、使用しない時は通常発光モードへ戻しておくことをお勧め致します。
富士フイルム用 カメラのフラッシュ機能設定メニュー内の同期モードで「AUTO FP(HSS)」を選択します。【Di700A】
キヤノン用 カメラメニュー内の「ストロボ機能設定」のストロボの発光モードの欄から「ハイスピード」を選択します。なおカメラ上部に装着したDi700Aの電源を切ると設定はリセットされ、先幕シンクロの設定へ戻ります。
ニコン用 カメラのカスタムメニュー内のフラッシュ撮影同調速度で「1/◯◯◯ 秒(オートFP)」を選択します。(◯◯◯の数値は機種により異なります)
ソニー用・フォーサーズ用 本体のパイロットランプを長押しし、ランプが点滅の状態になるとHSS(FP発光)モードとなります。再度同じ操作を行うまで解除されませんが、使用しない時は通常発光モードへ戻しておくことをお勧め致します。
富士フイルム用 カメラのフラッシュ機能設定メニュー内の同期モードで「AUTO FP(HSS)」を選択します。【i40】
キヤノン用 カメラメニュー内の「ストロボ機能設定」のストロボの発光モードの欄から「ハイスピード」を選択します。なおカメラ上部に装着したDi700Aの電源を切ると設定はリセットされ、先幕シンクロの設定へ戻ります。
ニコン用 カメラのカスタムメニュー内のフラッシュ撮影同調速度で「1/◯◯◯ 秒(オートFP)」を選択します。(◯◯◯の数値は機種により異なります)
ソニー用・フォーサーズ用 本体のパイロットランプを長押しし、左側モードダイヤルの白色LEDが点滅の状態になるとHSS(FP発光)モードとなります。再度同じ操作を行うまで解除されませんが、使用しない時は通常発光モードへ戻しておくことをお勧め致します。
富士フイルム用 カメラのフラッシュ機能設定メニュー内の同期モードで「AUTO FP(HSS)」を選択します。 -
ソニー用ストロボのハイスピードシンクロ設定時の注意点Di700Aソニー用、i60Aソニー用、i40ソニー用などのストロボ、カメラに直接装着して使用する際は、ストロボのヘッドが正面位置以外になるとHSSモードが解除されます。これはカメラ側の仕様によるものです。
- 後幕シンクロ
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後幕シンクロとは?一眼レフカメラのシャッターは、フォーカルプレーンシャッターという方式を使用していて、「先幕」と「後幕」という2枚のシャッター幕で露光時間を調整しています。
先幕が開き始めて全開に開き切ったところでストロボが発光し、規定の時間だけシャッターが開いたあとに後幕が閉まって、露光が完了します。
通常、カメラの初期設定は先幕が開き切った直後に発光する「先幕シンクロ」に設定されていますが、カメラの機種によっては、後幕が閉じ始める直前に発光する「後幕シンクロ」に切り替えることができます。一般的には「先幕」(さきまく)「後幕」(あとまく)と呼ばれます。
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後幕シンクロが必要なときは?シャッタスピードを長秒に設定しなければならない暗い環境で、自発光や反射しながら移動するもの(走者のヘッドライトなど)の光の軌跡が自然に写るようしたいときは「後幕シンクロ」に設定します。
「先幕シンクロ」のままだと、光の軌跡が発光体の進む方向へと伸びてしまうので不自然だと感じるのですが、「後幕シンクロ」で撮影すると、逆方向に伸びるので自然に見えます。
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後幕シンクロの設定方法主な機種の後幕シンクロ設定方法です。カメラまたはストロボの機種によっては後幕シンクロ機能が搭載されていない場合がございますので、ご注意ください。
【Air10s】
Air10s側には切替機能はありませんので、カメラ側から設定を行ってください。詳しくはカメラの使用説明書をご覧ください。
キヤノン用については、後幕シンクロはご利用できません。
ソニー用はカメラのメニュー画面で「フラッシューモード」と「ワイヤレスフラッシュ」の項目が分かれていれば、「フラッシューモード」を「後幕シンクロ」に設定することにより使用可能になります。
「フラッシュモード」 メニュー内に「ワイヤレス」の選択肢があるモデルでは、「ワイヤレス」と「後幕シンクロ」を同時に選択できないため、後幕シンクロを使用出来ません。【Air1】
Air1側には切替機能はありませんので、カメラ側から設定を行ってください。詳しくはカメラの使用説明書をご覧ください。
キヤノン用も後幕シンクロをご利用いただけます。
ソニー用はカメラのメニュー画面で「フラッシューモード」と「ワイヤレスフラッシュ」の項目が分かれていれば、「フラッシューモード」を「後幕シンクロ」に設定することにより使用可能になります。
「フラッシュモード」 メニュー内に「ワイヤレス」の選択肢があるモデルでは、「ワイヤレス」と「後幕シンクロ」を同時に選択できないため、後幕シンクロを使用出来ません。【i60A / Di700A / i40】
カメラ側から設定を行ってください。詳しくはカメラの使用説明書をご覧ください。
- リセット
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リセットとは?動作が不安定になった時は、リセット(ペアリング情報を除く設定値の初期化)をお試しください。
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リセット方法一覧
- 電池
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ストロボへの使用を推奨する電池ストロボは大電流を使用する代表的な機器です。アルカリ乾電池でもご利用頂けますが、できれば高性能で経済的なニッケル水素充電式電池のご使用をお薦めします。
なお、アルカリ乾電池はバッテリーチェッカーで測定した電圧が高くても、ストロボを充電すると大電流が流れることにより電圧が低下するため、動作時間が短い場合がございます。
また、アルカリ乾電池を機器に装填したまま放置しておくと、電池の自己放電が進み最終的には液漏れに至りますので、電池は機器から外して保管してください。
※電池に関するトラブルが多く見られます。電池に関するご注意はこちら(外部サイト:電池工業会)。推奨するニッケル水素電池…Panasonic eneloop・ Amazonベーシック
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MG10 / MG8 / MG80 Pro に使用できるリチウムイオン充電池MG10 / MG8は、単3形乾電池8本用のカートリッジと市販のリチウムイオン充電池を利用できるリチウムイオン充電池用カートリッジが付属しています。また、MG80 Proは単3形乾電池と類似サイズのリチウムイオン充電池を利用できます。
リチウムイオン充電池の方が、発光回数が多く充電時間も短いというメリットがあります。
ただし、リチウムイオン充電池は熱や衝撃などに非常にデリケートなので、取り扱いには十分お気をつけください。
使用できる充電池は、MG10 / MG8が保護回路付きの26650タイプ、MG80 Proが保護回路付きの14500タイプです。
保護回路の付いていないタイプは絶対に使用しないでください。
詳しくは以下の記事「MG10 / MG8」「MG80 Pro」を御覧ください。
- バウンス
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バウンスとは?ストロボの発光ヘッドは回転しますが、これはストロボ光を天井や壁に反射させて、被写体に間接光を照射するためのものです。
この撮影方法をバウンス撮影といいます。天井や壁に反射させた光は発光面積が大きくなりますので、光が拡散しソフトで自然な印象の照明効果が得られます。 -
色かぶりについてバウンス撮影の注意点ですが、天井や壁の色が赤や緑などに着色されてると、反射光も着色され被写体が全体的に色被りをしてしまいます。
基本的にバウンス撮影を行うときは、白や無彩色の壁や天井で行うよう注意してください。